予防医学のお話 No.50
タンパク質

掲載日:2019年4月1日

タンパク質は、大変重要な役割を担う栄養素です。皮膚や筋肉、臓器、血液、毛髪、つめ、骨など、私たちの体をつくる重要な構成成分として、またホルモンや酵素、神経伝達物質、免疫物質、抗体などの原料としても欠かすことができません。さらにタンパク質は、糖質が不足したときに1g当たり約4kcalのエネルギーを供給するエネルギー源ともなります。

人体を構成するタンパク質は、20種類のアミノ酸で構成されています。ヒトは20種類あるアミノ酸のうち、9種類を体内で合成することができません。これら9種類のアミノ酸は『必須アミノ酸』と呼ばれ、食べものから摂取する必要があります。一般に「良質のタンパク質」と言われるのは、必須アミノ酸を適切な割合で含んでいるものです。

タンパク質が不足すると、その不足を補うために体を構成するタンパク質が分解されてしまいます。そのため体力や免疫力が低下し、感染症や合併症の誘発につながります。血管が弱くなり、脳卒中の危険性も大きくなります。子どもの場合、成長障害になる恐れもあります。また加齢とともに筋力や基礎代謝が低下して行くため、タンパク質不足が重なると老化が加速すると言われています。近年、高齢者のタンパク質摂取不足は深刻な問題と考えられるようになってきています。筋肉量が減少するサルコペニアや骨量が減る骨粗しょう症などの原因となり、またそれらが引き金となって寝たきりや要介護となる恐れが大きくなるからです。

高齢者のタンパク質摂取が不足するのは、食欲の衰えに加え、噛む力や嚥下機能の低下により食事が軟らかいものや食べやすいものに偏り20種類のアミノ酸をバランスよく摂れなくなること、また腸内環境が悪化しタンパク質の吸収が悪くなることなどが原因と考えられています。アミノ酸スコアが高いプロテインを活用するなど、バランスの優れた良質のタンパク質を摂取することがとても大切になります。

タンパク質は日々その役割を終えて分解され、また新しいタンパク質をつくるという代謝活動を行なっています。新しくタンパク質を生合成するには、常に基本となるアミノ酸を摂取することが必要です。良質のタンパク質を摂ることで、常に細胞のパフォーマンスを最良の状態にしておくことが大切です。また体内に摂り込んだタンパク質の代謝には、ビタミンB6が関与しています。タンパク質の分解・合成を助ける働きがあるビタミンB6は、魚介類やレバー、鶏のささみ、バナナなどに多く含まれていますので、日頃から心がけて摂るようにしましょう。

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