予防医学のお話 No.48
摂取と消費のエネルギーバランス

掲載日:2019年2月1日

年末年始の食べ過ぎなどで体重が増加しやすいのに寒くて体を動かすのが億劫になる冬場は、摂取と消費のエネルギーバランスが崩れやすい時季でもあります。

私たちは口から摂取した食品を、そのままの形では生命活動に利用することができません。そのため、摂取した栄養素を利用可能なエネルギーという形にする必要があります。タンパク質、糖質、脂質は、エネルギー産生栄養素と呼ばれ、それぞれ1gあたりが体内で産生するエネルギーの量は、たんぱく質が4 kcal、糖質が4 kcal、脂質が9 kcalとなります。食品中に含まれるタンパク質、糖質、脂質の量が分かれば、この数値を用いてその食品から摂取できるエネルギー量を求めることは可能です。しかし、エネルギー摂取量は日々変動します。毎日同じものを同じ量食べ続けるというのはあまり現実的ではなく、一般に食事内容は日々変化します。また摂取エネルギーは食欲や体質によっても左右されますし、同じ食材を使っていても、調理をする人や調理法によってもエネルギー量は増減します。摂取エネルギー量を正確に把握するのは、実際にはなかなか容易なことではありません。

一方、消費されるエネルギーは、大きく次の3つに分類されます。
① 基礎代謝:体温を維持する、心臓を動かす、呼吸をするなど、生命を維持するために   
必要なエネルギー。
② 身体活動:家事、労働、運動、余暇活動など、すべての生活活動。
③ 食事誘発性熱代謝:食べものを摂取すると、咀嚼や消化・吸収など体の各部分でエネルギーの
消費が発生し、代謝が活発になるため、代謝エネルギー量が増える。
しかしこの3つも日々変動し、正確に測定するのが難しいものです。

「エネルギー摂取量 - エネルギー消費量」と定義されるエネルギーの収支バランスの結果は、成人においては「体重」に表れます。
・ エネルギー摂取量がエネルギー消費量より大きく、収支がプラスであれば体重は増える
・ エネルギー摂取量がエネルギー消費量より少なく、収支がマイナスであれば体重は減る
・ エネルギー摂取量とエネルギー消費量が等しく、収支が±0であれば体重は変わらない
つまり体重の変化を見れば、摂取と消費のエネルギーバランスが適正であったかどうかが分かります。

健康の維持・増進、生活習慣病予防の観点からは、エネルギーの摂取量が必要量を満たしているだけでは不十分です。適正な体重を維持できる摂取量と消費量のバランスが取れていることが重要なのです。

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