予防医学のお話 No.45
若々しいお肌を目指す

掲載日:2018年11月1日

「季節の変わり目は体調を崩しやすい」と言う話を耳にされたことがあると思いますが、移りゆく季節の変化に反応し、私たちの身体は環境に適応しようと変化をしています。お肌もまた季節の変化に応じて変化しているわけですが、このお肌の変化にはすぐに現れるものと少し時間が経ってから現れるものがあります。例えば肌の色は、紫外線量の変化に対し約2ヶ月遅れで変化すると言われます。晩秋から初冬にかけての時季のスキンケアは、夏の紫外線によるダメージに対するケアと、冬の乾燥に備えるケアが重要になります。


紫外線にはビタミンDの生成や殺菌作用などの有用な働きがある一方で、シミやシワの原因となって皮膚の老化を促進し、皮膚がんの原因となることもあります。また紫外線によるダメージで角質層が乱れた状態が残って肌がカサつきやすくなっているこの時季は、気温や湿度の低下が肌の乾燥に追い打ちをかける時季でもあります。若々しいお肌を目指すには、不要な角質を除去するケアと、肌表面からの保湿を徹底するケアがとても大切です。


不要な角質を除去するケアの基本は洗顔です。肌のpHと同じ弱酸性の洗顔料を使い、よく泡立てて、やさしく洗いましょう。ゴシゴシ洗いやピーリング、熱いお湯での洗浄は肌に負担をかけ、肌表面のバリアを洗い流してしまうことにもなりかねないので注意しましょう。また毛穴の黒ずみや汚れ、角栓を除去するには、パックも有効です。そして、洗顔直後のお肌は乾燥に対し大変無防備な状態になります。化粧水や保湿美容液で潤いを補いましょう。また、乳液や保湿クリームなどを使って水分の蒸発をコントロールしましょう。


冬の季節になると多くの人を困らせるもののひとつに乾燥性皮膚炎があります。この疾患には、乾皮症や皮脂欠乏性皮膚炎などがあり、膝から足首にかけて、また腕などにも皮膚表面のカサツキ・ざらつき・ひび割れ、強いかゆみ、ふけのように皮膚がはがれ落ちるなどの症状が現れます。乾燥性皮膚炎の原因は、冷たく乾燥した空気・湿度と気温の低下に関係があります。日本列島に流れ込む冷たい寒気の影響や、暖房器具を使うことで空気が乾燥し、わたしたちの肌の水分は、乾燥した空気中にどんどん逃げていきます。本来肌は角質層が水分で満たされ、外部からの刺激や細菌の侵入から身体を守るバリア機能を果たしています。しかし乾燥により水分が失われると、角質層がはがれ、バリア機能が低下して皮脂量も減少してしまいます。また寒さにより末梢血流が低下すると、肌の新陳代謝にも悪影響を与えます。肌の潤いのもとになる栄養分が体のすみずみまで行き届かなくなるため、角質層の再生や皮脂を生成する力も低下し、ますます皮膚の乾燥が進んでしまうのです。

冬の乾燥から肌を守るには、洗顔やお肌への保湿の他、次のようなことも有効です。

・保湿成分が配合された入浴剤を使い、ゆっくり入浴して身体を温め、血行を促進する。
・加湿器を使う、観葉植物を置く、ぬれたタオルを干すなど、室内の湿度を60%前後に保つよう工夫する。
・角質層の水分保持に役立つセラミドを豊富に含む食材(大豆・ホウレンソウ・黒ゴマ・ゴボウ・ひじきなど)を食事に取り入れ、体の中からも乾燥予防にアプローチする。
・肌のうるおい維持に欠かすことのできない天然保湿因子(NMF)を減少させないよう、睡眠をしっかり取り、ストレスを上手にコントロールする。


乾燥によるかゆみを放置しておくと、かゆみが強くなり、かきむしって炎症に発展し症状が悪化するなど、日常生活に支障をきたす場合もあります。


正しい知識と予防方法を活用して、空気が乾燥する冬の時季も若々しいお肌を目指しましょう。

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