予防医学のお話 No.36
乾燥によるトラブルと対策

掲載日:2018年2月2日

乾燥によるトラブルと対策

冬になると、皮膚表面のカサツキ、ざらつき、ひび割れや強いかゆみ、皮膚がフケの様にはがれ落ちるなどの症状に悩まされる方が多くなります。これらは、湿度や気温の低下による「乾燥性皮膚炎」の症状と考えられます。

日本列島に流れ込む冷たい寒気の影響や暖房器具の使用により空気が乾燥してくると、私たちの肌の水分は乾燥した空気の中にどんどん逃げていきます。肌の一番外側にある角質層には、紫外線などの外部刺激や細菌、アレルギー物質の侵入から肌を守るバリア機能があります。しかし肌の水分が失われると角質層がはがれてバリア機能が低下し、有害な外敵の侵入をいとも簡単に許し、皮脂量も減少させてしまいます。皮脂の減少は、さらに角質層の崩壊を加速させる悪循環を引き起こします。また寒さによる末梢血流の低下は、肌の新陳代謝にも悪影響を与えます。肌の潤いのもととなる栄養分が体の隅々まで行き届かなくなり、角質層の再生や皮脂を生成する力が低下し、皮膚の乾燥がますます進んでしまうのです。

潤った肌を保つには、肌の状態や、肌をとりまく環境に応じたお手入れが大切です。
以下、冬の乾燥から肌を守るためのポイントをご紹介します。

1 室内を湿度60%前後に保つよう工夫し、空気の乾燥を予防しましょう。

  • ・加湿器を使用する
  • ・観葉植物を置く
  • ・ぬれたタオルを干す、など

2 洗顔や入浴の際、肌表面のバリアを洗い流してしまわないよう注意しましょう。
  • ・ゴシゴシ洗いや熱いお湯での洗浄は避ける
  • ・肌のpHバランスと同じ弱酸性の石鹸を使用する
  • ・よく泡立てやさしく洗う

3 ゆっくり体を温めて血行を促進しましょう。
  • ・保湿剤入りの入浴剤を使用するなど

4 洗顔や入浴の後は、化粧水で肌に水分や保湿成分を補いましょう。
  • ・さらに潤いが必要な方は、美容液を使ってみましょう。

5 人工の皮脂膜を形成して皮膚表面を保護し、水分の蒸発をコントロールしましょう。
  • ・保湿クリーム、ワセリン、椿油、尿素軟膏などの利用

6 食事から摂り入れる栄養で体の中からも乾燥予防のアプローチをしましょう。
  • ・大豆、ホウレンソウ、黒ゴマ、ゴボウ、ひじきなどは、角質間の細胞同士をつなぎ、角質層の水分保持に役立つセラミドを豊富に含む食材です。

7 肌の潤い維持には欠かすことのできない天然保湿因子(NMF)の保持に努めましょう。
  • ・「水分を抱え込む」という性質を持つNMFは、加齢の他、日焼け・睡眠不足・ストレスによっても減少してしまいます。乾燥による肌トラブルの対策には、紫外線予防・十分な睡眠・ストレスコントロールも重要です。

空気の乾燥はお肌に悪影響を及ぼすだけではありません。のどの粘膜が乾燥すると風邪やインフルエンザウイルスにも感染しやすくなります。また乾燥により体内の水分量が減ると血流や血行も悪くなると言われます。
しっかり対策をとって、冬場の乾燥からお肌や体を守りましょう。

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