予防医学のお話 No.23
エクササイズと健康

掲載日:2017年01月11日

代謝
機械化や自動化が進み世の中が便利になるにつれ、皮肉なことに運動不足という弊害がもたらされています。

運動には、生活習慣病を予防する、心肺機能を高める、筋肉の量や質を維持して体力の向上をはかる、基礎代謝を高める、心身を若々しく保つ、エネルギー亢進、生理機能正常化などの「生理的な効果」と、気晴らし、健康感の向上、生活の充実感、ストレス解消などの「精神的な効果」というふたつの大きな効果があります。効果が期待できることを生活の中に取り入れないというのは実にもったいないと思うのですが、運動習慣が定着するのは非常に難しいというのが現状です。

厚生労働省は「健康づくりのための運動指針 2006」の中で、ジョギング、水泳、サッカーなど、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施する「運動」と、通勤時の歩行、掃除、買い物など、運動以外の「生活活動」とを合わせて「身体活動」と定義しています。

また身体活動の強さが安静時(座って安静にしている状態を1とした場合)の何倍に相当するかを表す「メッツ(METs)」という単位を紹介し、さらに身体活動の量を身体活動の強度(メッツ)と身体活動の時間(時)の掛け算で求め、「エクササイズ(Ex)」という単位で数値化することを提唱しています。

「健康づくりのための運動指針 2006」では、活動強度3メッツ以上の活発な身体活動を週23エクササイズ以上実施するのが生活習慣病予防に効果的だとされています。下記の「身体活動のエクササイズ 数表」を、どのような活動をどれくらいの時間行なうのかを考える際の参考にしていただければ幸いです。
メッツ 活動内容 1エクササイズに相当する時間
3.0 自転車エルゴメーター:50ワット、とても軽い活動、ウエイトトレーニング(軽・中程度)、ボウリング、フリスビー、バレーボール、 20分
普通歩行(平地、67m/分、幼い子ども・犬を連れて、買い物など)、釣り(2.5(船で座って)~6.0(渓流フィッシング))、屋内の掃除、家財道具の片付け、大工仕事、梱包、ギター:ロック(立位)、車の荷物の積み下ろし、階段を下りる、子どもの世話(立位)
3.3 歩行(平地、81m/分、通勤時など)、カーペット掃き、フロア掃き 18分
3.5 体操(家で。軽・中等度)、ゴルフ(カートを使って。)、 18分
モップ、掃除機、箱詰め作業、軽い荷物運び、電気関係の仕事:配管工事
3.8 やや速歩(平地、やや早めに=94m/分) 16分
床磨き、風呂掃除
4.0 速歩(平地、95~100m/分程度)、水中運動、水中で柔軟体操、卓球、太極拳、アクアビクス、水中体操 15分
自転車に乗る:16km/時未満、レジャー、通勤、娯楽、子どもと遊ぶ・動物の世話(徒歩/走る、中強度)、高齢者や障害者の介護、屋根の雪下ろし、ドラム、車椅子を押す、子どもと遊ぶ(歩く/走る、中強度)
4.5 バドミントン、ゴルフ(クラブを自分で運ぶ) 13分
苗木の植栽、庭の草むしり、耕作、農作業:家畜に餌を与える
4.8 バレエ、モダン、ツイスト、ジャズ、タップ 13分
5.0 ソフトボールまたは野球、子どもの遊び(石蹴り、ドッジボール、遊戯具、ビー玉遊びなど)、かなり速歩(平地、速く=107m/分)、 12分
子どもと遊ぶ・動物の世話(歩く/走る、活発に)
5.5 自転車エルゴメーター:100ワット、軽い活動 11分
芝刈り(電動芝刈り機を使って、歩きながら)
6.0 ウエイトトレーニング(高強度、パワーリフティング、ボディビル)、美容体操、ジャズダンス、ジョギングと歩行の組み合わせ(ジョギングは10分以下)、バスケットボール、スイミング:ゆっくりしたストローク 10分
家具、家財道具の移動・運搬、スコップで雪かきをする
6.5 エアロビクス 9分
7.0 ジョギング、サッカー、テニス、水泳:背泳、スケート、スキー 9分
7.5 山を登る:約1~2kgの荷物を背負って 8分
8.0 サイクリング(約20km/時)、ランニング:134m/分、水泳:クロール、ゆっくり(約45m/分)、軽度~中強度 8分
運搬(重い負荷)、農作業:干し草をまとめる、納屋の掃除、鶏の世話、活発な活動、階段を上がる
9.0 荷物を運ぶ:上の階へ運ぶ 7分
10.0 ランニング:161m/分、柔道、柔術、空手、キックボクシング、テコンドー、ラグビー、水泳:平泳ぎ 6分
11.0 水泳:バタフライ、水泳:クロール、速い(約70m/分)、活発な活動 5分
15.0 ランニング:階段を上がる 4分
年頭に当たり「今年こそはもう少し運動しよう」と決意された方も少なくないと思いますが、日々の行動を変えるにはまず意識を変える必要があります。そして意識を変えるには、正しい知識が必要です。なぜ運動を取り入れる必要があるのかという知識をたくさん得ることで、運動に対する意識が高まり、やがて運動習慣という行動が日常のなかで定着して行くことと思います。

今年もまた様々な健康情報を通して、病気を予防し健康を維持するお手伝いができればと願っております。
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