予防医学のお話 No.20
肌トラブル

掲載日:2016年10月03日

肩こり

肌の透明感や光沢は、肌に含まれる水分が作り出しています。うるおい不足でカサカサした肌は、ツヤがなくお化粧のノリが悪いばかりでなく、有害物質の体内侵入を防ぐ力も弱くなってしまいます。肌にとって、もっとも大切なのはうるおいです。うるおい不足が肌トラブルの元凶と言っても過言ではありません。

肌のうるおいが減少する理由のひとつは、天然保湿因子とセラミドの減少です。うるおいの維持に欠かすことのできない「水分を抱え込む」という性質を持つ天然保湿因子は、日焼け、睡眠不足、ストレス、加齢によって減少してしまいます。セラミドには角質間の細胞同士をつなぐ役割もあるため、減少すると細胞間に隙間が生じ、肌の内部が乾燥して砂漠のような状態になってしまいます。

また表皮に存在する皮脂量の低下も肌のうるおいが減少する理由のひとつです。皮脂には肌を保湿、保護、抗菌するという役割があります。1日2~3g程度、体内から分泌されるのが理想ですが、加齢やストレス、血行不良などにより次第に減少していきます。減少すると肌は少しの刺激でもダメージを受けやすくなり、肌の一番外側にある角質層が壊れる原因になります。角質層は紫外線やアレルギー物質から肌を守り、肌に水分を閉じ込めるバリア機能も果たしています。バリアを失った肌は大変もろく、有害な外敵の侵入をいとも簡単に許してしまい、それが肌トラブルの原因となります。さらに水分もどんどん外に逃げ、肌の乾燥が進行するという悪循環を起こしてしまいます。

スキンケアの基本は、「うるおい補給」と「うるおいキープ」です。洗顔後に化粧水で肌に水分や保湿成分を補い、乳液やクリームで肌表面に人工の皮脂膜を形成し肌表面を保護する、さらにうるおいを補うためには美容液を使うと良いでしょう。肌の状態や肌をとりまく環境に応じたお手入れをしましょう。

また腸内環境の乱れが肌荒れやシミ、しわの原因になることがあります。健康な肌、きれいな肌のため、日頃の腸内ケアも大切にしてください。腸の中には重さ1.5kg以上にもなる善玉菌・悪玉菌・日和見菌が存在し、これらの腸内細菌は第三の臓器とも呼ばれることもあります。腸の中の温度は約38度程度あり、腸内の内容物(便)が時間とともに変質していきます。善玉菌が優位な腸内環境の場合、発酵によるビタミン類の合成や、ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンが生成されます。セロトニンは腸の蠕動運動を促進しますので、便通がよくなることが期待されます。逆に悪玉菌が優位な環境では、日和見菌も悪玉菌に加担して一気に腸内環境は悪くなり、内容物が腐敗してインドール、スカトール、アンモニアといった体に良くない物質が生成されます。腸から吸収されたそれらの物質はやがて全身をめぐり、肌荒れやシミ、しわ、くすみ肌の原因にもなりますので注意が必要です。

腸の悪玉菌は動物性の脂質やタンパク質が好物なので、お肉を良く食べる人は、腸内環境にも留意した方がよいでしょう。水溶性食物繊維を意識して摂るようにしたいものです。また腸内環境には個人差がありますが、善玉菌の13%~20%は便とともに排泄されてしまいます。乳酸菌やビフィズス菌を毎日摂取するよう心がけましょう。

猛暑や残暑の続いた夏も終わり、過ごしやすい季節がやってきました。少しでも体をいたわる生活習慣としては、やはり規則正しい生活が大切です。夏の暑さで弱った体や紫外線で傷ついた細胞の修復にあたるため、特に睡眠時間は十分にとりたいものです。

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