予防医学のお話 No.8
秋に花粉症?

掲載日:2015年10月5日

秋に花粉症?

花粉症は、アレルギー性鼻炎の1つで、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが主な症状です。日本において、花粉症を引き起こす植物はおよそ50種類ありますが、スギ花粉症患者がもっとも多く、およそ2,000万人いるとされています。スギ花粉症のシーズンは、2月から4月下旬までで、スギに少し遅れて飛ぶヒノキの花粉は5月末までがピークです。

日本では、スギやヒノキなどの春先の花粉症がポピュラーですが、初夏にはイネ科の植物の花粉が飛散し、真夏から秋口にかけては、ブタクサやヨモギといったキク科の花粉も飛散します。近年では、スギやヒノキ花粉症だけでなく、その他の植物の花粉症患者も増えており、秋口に、鼻がむずがゆい、くしゃみがでる、目がかゆい、という症状がでたら、風邪ではなく、ブタクサの花粉かもしれません。

花粉は一年中飛んでいるものですが、春はやはりスギ花粉が主役です。スギは常緑樹で秋から冬にかけて生育を止め、暖かくなる時期から盛夏にかけての気象環境を受けて生育します。夏に杉の生育に適した雨量や日照があれば、生育の活力を樹内に溜めていきます。そして翌春に花が咲き、大量の花粉を飛散させます。したがって、前年の春から夏にかけての気象条件によって、翌年の花粉の量を推測することができます。よく、「夏が猛暑だと、翌年の花粉量が多い」といわれるのは、このことを指しています。

花粉の飛ぶ量は、その日の気象条件や季節によって変わりますが、1日の中でも花粉が多く飛ぶ時間帯があり、13時前後と18時前後です。13時前後は、1日の中でも気温が高くなる時間で、空気が乾きます。また、18時前後は昼間に空高く舞い上がっていた花粉が、気温が下がることによって地面近くに降りてきます。そのため、地表付近で花粉の量が再び多くなってしまうのです。これらの時間帯は、お昼休みや帰宅時間などと重なるのでしっかりと花粉対策をすることが大切です。

花粉の飛散量は、空気が乾燥していて、湿度が低い状態だと、増大し、高いと軽減されます。花粉の粒子は、湿度が低く乾燥していると空気中に長く浮遊します。一方、湿気のあるところでは水分を含み、早く落下します。湿度が約80%を超えると、花粉はほとんど飛ばなくなることから、花粉症患者にとって保湿は重要な花粉対策になります。雨の日は花粉は飛散しない傾向にありますが、雨の降った翌日には、雨粒で落とされた花粉が乾いて舞い上がったものと、開花によって出た花粉の2種類が飛散します。前日分と当日分の花粉が大量に飛ぶため、雨が降った翌日はいつも以上の花粉対策が必要です。また風が強くふくと、より遠くに花粉が飛散することになります。その飛散距離は約100kmにも及び、都心部でも花粉の症状は強く出るようになります。また都会はコンクリートジャングル、アスファルトジャングルということもあり、地面に落ちた花粉が土に吸収されず、風によって再び巻き起こる現象が発生します。

花粉に悩まされるのは春先だけと思われている皆さん!秋口にもしっかりとした花粉対策が必要です。

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