予防医学のお話 No.4
オメガ3脂肪酸って知っていますか?

掲載日:2015年5月29日

オメガ3脂肪酸って知っていますか?

私たちは食事からいろいろな油脂をとっています。その油脂は消化されて脂肪酸とグリセリンになり吸収、利用されます。脂肪酸は油脂としてのエネルギー源の役割ばかりでなく、身体で多くの生理的な働きをしている大切な栄養素の一つです。
脂肪酸には常温で固まる飽和脂肪酸(動物性の油)と常温で液体状の不飽和脂肪酸(植物性の油)があります。飽和脂肪酸は豚や牛の脂身、バターなどの動物性脂肪に多く含まれています。
豚や牛、鶏は人間よりも体温が高いため、人間の体に入ると、固まりやすくなります。飽和脂肪酸を多く取り過ぎてしまうと、もともと脂質は赤血球や血小板の細胞膜の成分にもなりますから細胞膜が固まりやすくなり、血球成分どうしがベタベタとくっつき合ってしまうこともあり、また血中のコレステロール値が上がるという面もあります。なぜ血中のコレステロールが上がるのかというと、飽和脂肪酸が肝臓の細胞膜を変化させて、コレステロールの取り込みの邪魔をするため、血中に増えてしまうのです。また肝臓では飽和脂肪酸を材料にしてコレステロールや中性脂肪がつくられますから、その材料を食事で取り過ぎてしまえば、血中のコレステロール値も上がるというわけです。
しかしこの飽和脂肪酸は人間の体でも、炭水化物や脂質をもとにして作り出すことができる油ですから、そう多くは必要ではありません。むしろ本来は体にとって必要ですが、体で作ることができない油であるオメガ3脂肪酸を取りたいものです。
オメガ3脂肪酸は不飽和脂肪酸の中でも特に重要な油になります。しそ油(エゴマ油)やDHA・EPAという油になります。同じ仲間にオメガ6脂肪酸(紅花油・ひまわり油)がありますが、このオメガ6脂肪酸を取り過ぎるとアレルギー疾患につながったり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減らしてしまうとう報告もあります。また非常に酸化されやすい油で、様々な食品や食物から充分な量を摂っていると言われていますので、あえて油という形で取る場合にはその量を、気を付けるようにしましょう。
現代の日本人に特に必要な油がオメガ3の脂肪酸になります。オメガ3脂肪酸の種類にはα-リノレン酸やDHA・EPAがありますが、α-リノレン酸は血中コレステロール値を下げる働きもあります。またEPAは血小板同士をくっつきにくくするため、血液が固まりにくくなり、流れがスムーズになります。またDHAは細胞膜を軟らかくしたり、神経細胞同士の情報伝達をスムーズにしたりします。つまり動脈硬化の予防であったり認知症の予防にもなるというわけです。DHAやEPAは血液中の余分なコレステロールを肝臓へ回収する手助けをするため、血中LDLコレステロール値を低下させる働きがあります。生活習慣病の予防にもつながるわけです。
和食が無形文化遺産に登録になったわけですから和食の中心でもある魚を食べるように心がけましょう。毎日の食事の中に魚を意識したメニューを考えてみてはいかがでしょうか。

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