予防医学のお話 No.3
健康産業の新たなステージ「機能性表示食品制度」

掲載日:2015年4月28日

健康産業の新たなステージ「機能性表示食品制度」

健康産業の新たなステージが平成27年4月1日スタートいたしました。
「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」に次ぐ第3の表示が、今回の消費者庁が管轄する「機能性表示食品」です。

「機能性表示食品」の対象となるものは、サプリメントや加工食品のほか、生鮮食品など食品全般で、アルコール類は除きます。

「機能性表示食品」とは疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦及び授乳婦を除く)に対し、機能性関与成分によって健康の維持及び増進に資する特定の保健の目的(疾病リスクの低減に係わるものを除く)が期待できる旨を科学的根拠に基づいて容器包装に表示をする食品のことになります。

「機能性表示食品」としてエントリーするには、次の事項を販売日の60日前までに消費者庁長官へ届け出ることとされております。
● 表示の内容
● 食品関連事業者に関する基本情報
● 安全性の根拠に関する情報
● 機能性の根拠に関する情報
● 生産・製造及び品質の管理に関する情報
● 健康被害の情報収集体制
● その他必要な事項

しかしながら機能性表示食品として表示するための道のりは険しく特保に準じる項目などもあり、そう簡単には表示できないものとなります。

何と言っても一番の関心事はその表現がどこまでうたえるのかというところです。もちろん医薬品と誤認されるものであってはならないことが大前提にはなります。またトクホで使われている表現と同等の表現までは使用することが可能ではありますが、例えば「○○○の成分は骨粗鬆症になるリスクを低減させる」などのように疾病のリスクを抑える、低減する表示などはNGとなります。
しかし定められたルールに基づいていれば肝臓などの臓器などを含む身体の特定部位を表示に用いることができます。健康の維持・増進の範囲内であれば、身体の特定の部分に言及した表現も可能です。

また消費者庁はあえて使って良い表現事例集(いわゆるポジティブリスト)を公表しておりません。逆に使ってはいけない表現(いわゆるネガティブリスト)に比重をおいています。

これからは例えばこんな表示が登場します。「○○産の温州みかんには○○○という成分が含まれ肝臓の健康を保つ食品で、お酒を良く飲まれるかたに是非どうぞ」とか「○○のほうれん草には○○○が含まれ、目の健康に関する眼底の色素量を上昇させると報告があります」とか、○○○を多く含む特別なトマトをつくれば「○○は血管の機能をサポートします」など、従来と比べるとより直接的な表現が可能になります。

逆に認められない表現例としては、医学的な表現は当然NGです。例えば、「病気の診断」「病気の予防」「病気の治療・身体の治療」「病気の処置・けがの処置」などです。また本制度では認められない表現例としては次のものがあります。

①疾病の治療効果又は予防効果を暗示する表現。具体的には「糖尿病の人にお勧めです」とか「高血圧の予防に毎日とりましょう」とか「花粉症には効果があります」とかはNGです。
②健康の維持及び増進の範囲を超えた、意図的な健康の増進を標ぼうするものと認められる表現。例えば、「○○○は肉体改造に役立ちます」「○○○成分は増毛させる働きがあります」「○○○成分が美白を目指すあなたに有効です」もNGです。
③科学的根拠に基づき説明されていない機能性に関する表現。例えば、「○○○成分は腸内免疫をあげるので身体全体の免疫にも有効です」とか「○○○成分はマウスの試験ではこういう論文の結果がでておりますので人の免疫をあげることもできます」とか実際に人での試験データはとっていないものであれば、生体に作用する機能が不明確な表現であるため当然NGになります。

機能性表示食品のガイドラインには他に<機能性関与成分の定義>、<容器包装への主な表示>、<情報開示のあり方>、<機能性評価の方法>、<安全性評価の方法>などなど多くのハードルがありますのでその道のりは険しいものではあります。
しかし多くの企業の商品が機能性を表示することで、より多くの国民が商品に関心を持ち、健康のために商品を購入し、より良い生活習慣を築き、健康への関心もますます高まることになるでしょう。目指すは“健康社会の実現”であります。

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