予防医学のお話 No.1
これからの時代の健康づくり

掲載日:2015年3月2日

日本国内における医療の進歩や公衆衛生の向上は、各種死亡率の目覚ましい低下をもたらしました。現在、日本は世界一の長寿国となり、他に類をみないスピードで少子・高齢化が進んでいます。さらに、食生活をはじめとしたライフスタイルの変化によって、主要死因及び疾病構造も、戦後の結核や肺炎などの感染症から、癌・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・脂質異常症・高血圧など日々の生活の中で自ら病気をつくってしまう、いわゆる生活習慣病へと変化しています。その結果、医療費も39.3兆円を超えました。

世界一の長寿国となった今、健康寿命をいかに延ばすかを考え、実行することが大変重要になっています。2013年の日本人の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳、平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳となっています。平均寿命から健康寿命を引いた、男性で約9年、女性で約12年という期間は、寝たきりなどで生活の質の低下を招きやすく、医療費や介護費もかかる期間です。平均寿命の延びを健康寿命の延びが上回れば、この期間を短くすることができます。
また2022年には、平均寿命が男性は81.15歳、女性は87.87歳になるとの予測も出ています。このままだと、不健康な時期も延びていくおそれがあります。
そのため、平均寿命の延び以上に健康寿命を延ばす、つまり不健康な状態になる時点を遅らせることが大切なのです。

厚生労働省は高齢社会の進展をにらんで、国民の健康づくりの指針となる「健康日本21」を2000年に策定しました。さらに、2013年度から始まった健康日本21の第2次計画では、健康寿命を延ばすことを第一に掲げています。

生活習慣病は、単なる加齢現象だけでなく不適切な食生活や運動・睡眠・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣を積み重ねた結果、発症・進行する割合の高くなる病気です。すなわち、生活習慣病を防ぐには正しい生活習慣を身につけることが第一です。特に重要である食生活や運動を見直し、実行していくことが、健康寿命の延伸に大きく関与していると言えるでしょう。食の欧米化が進む中、「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたこの機会に、改めて和食を日々の食生活の中に取り入れていきたいものです。
これからは予防医学の時代です。病気になる前の一次予防を、国じゅうで全国的な取り組みとしていかに推進していけるかが大切になるでしょう。

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