注目の健康情報 No.38
脳の指令がなくても腸は動く ~ (2)意識しなくても動き続ける腸

掲載日:2016年11月10日

腸は、ヒトが意識をしなくても動き続けています。もし、脳が身体をすべて司っているのであれば、脳が腸の動きを促したり、休めたりできそうなものですが、それはできません。

一方で、腸は生きることの最前線にいる臓器なので、例えばがんやアレルギー、免疫の不調、ホルモンの具合が悪くなれば不妊症や不眠症、更年期障害などの発症源となることがあります。さらに、神経系に問題が生じて、心身症や心の悩みなどさまざまな病気を引き起こすこともありえます。

1970年代は、腸は「単なる管(クダ)」という認識でした。内科の研究でも、心臓や脳が花形でした。しかし80年代に入ると、「腸にも脳のような機能があり、感情や脳の機能さえも腸がコントロールしている」という学説が注目を浴びるようになりました。

腸の外側は、網状になった神経の束に包まれています。この束は縦横無尽につながっていて、交差するところには「ニューロン」という情報処理を行う神経細胞があります。これに加え、「パラニューロン」という感覚細胞もあり、こちらは網状ではなく点状に散らばっています。ニューロンとパラニューロンを合わせて実に1億個以上の神経細胞が独自の働きをしており、自らの“意思”で動くことができます。

食べたものが腸に運ばれてくると、腸が成分を認識して、肝臓や膵臓、胆嚢、に指令を出し、酵素や胆汁を腸の中に注入します。そして、消化、吸収、合成など適切な活動をした後に、残りカスを肛門から排泄するのです。

この過程で重要な作業が、体内に有害な物質が入っていたら、吐き出したり下痢を起こしたりして一刻も早く体内から排除しようとします。ちなみに、脳からの指令がなくても動ける神経を持っている臓器は腸だけで、ヒトは死んでもしばらくの間、腸は動き続けることが知られており、意識しなくても動き続きつづけるのは腸なのです。
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