注目の健康情報 No.19
(19)美腸の作り方

掲載日:2016年01月06日

Ⅰ) 美腸女子の腸って?
美腸とは、どんなものでしょうか?まったく細菌のいない無菌状態の腸でしょうか。たしかに、それはきれいなのかもしれませんが、実は無菌では自然界では生きられません。生まれる前の胎児は、無菌状態です。しかし、この世で生きていくために、生まれるときに母親の産道や皮膚、周辺の環境などから多種多様な細菌を受け継ぎます。こうして細菌に「汚染」されることで赤ちゃんは抵抗力を持つのです。赤ちゃんが生後1日目にするウンチは、緑がかっていて「胎便」と呼ばれます。その時点のウンチには、産道で受け継いだ大腸菌や悪玉菌に汚染されていて、善玉菌は存在しません。その後、授乳が始まると、母乳や粉ミルクに含まれているラクトース(乳糖)によって、それをエサとするビフィズス菌が一気に増えます。この時期の赤ちゃんは乳だけを摂っていますから、あっという間に圧倒的に善玉菌が優勢となります。やがて「離乳期」となり、さまざまな食べ物を摂るようになると、腸内細菌の種類はどんどんと増加します。こうして成人期までに、食生活を通じて独自の腸内環境をつくり上げていくのです。
さて、最初の話に戻ります。私たち人間にとって「美腸」とは、無菌状態ではなく、理想的な腸内細菌のバランスを保った腸のことです。それは、先の項でもお話をした善玉菌が20%、悪玉菌10%、日和見菌70%と、善玉菌が優勢な腸です。発酵できる環境にある「美腸」なのか、腐敗する「醜腸」かは、肥満、がん、免疫不全など、多くの疾病にかかわります。悪玉菌が多い醜腸は、病気への第一歩。「美腸」を目指して、善玉菌を増やす食生活を今日から送りましょう。

Ⅱ) 美腸のつくり方
 善玉菌が多い美腸をつくるには、食事の改善が一番です。そのためには、善玉菌を増やす食事と、食物繊維を多く摂る食事がおすすめです。それは、どのような食事なのかをご紹介しましょう。
・善玉菌を増やす
 美腸をつくるためには、善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす環境を整える必要があります。そのためには、善玉菌を増やす食品を摂ることです。
 善玉菌を増やすのにおすすめなのが、ヨーグルトや乳酸菌飲料です。善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌がそのまま摂取できるため、効率よく腸内環境を改善できます。目安は、1日200~300g。空腹時は胃酸に乳酸菌が負けてしまうことがあるので食前は避け、食事中か食後に食べるようにしましょう。
 乳酸菌やビフィズス菌を効果的に摂るなら、体に有益な働きをする生きた微生物そのものを含む生菌製剤が効果的でしょう。有能なビフィズス菌が生きたまま腸まで届きます。
 もうひとつ、善玉菌を増やすのがオリゴ糖です。オリゴ糖は、砂糖などと同じ糖類ですが、人間の消化酵素で分解されにくく、食物繊維に近い働きをします。さらに小腸で吸収されずに大腸まで届き、ビフィズス菌のエサとなって善玉菌を増やす作用もあります。
甘味料として市販されていますので、砂糖の代わりに使用するのもおすすめです。ただし、一度に大量のオリゴ糖を摂ると、下痢になることがあるので使う量は様子を見ながら調整してください。
・食物繊維をたっぷりとる
 腸内環境をよくし、いいウンチを快適に出すためには、食物繊維を摂ることが必要です。食物繊維は、人間の消化酵素で消化されない難消化性成分の総称で、野菜や海藻、きのこ、豆などに多く含まれています。以前は栄養素ではないため、役に立たないとされてきた食物繊維ですが、いまでは「第六の栄養素」と言われるほど、腸にとって重要であることが明らかになってきています。
 重要なのが小腸で吸収されずに大腸まで届くこと。そこで、食物繊維は水分を吸収してウンチのかさを増やし、ウンチをスムーズに排泄させます。さらに、腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きもします。厚生労働省によると、18歳以上の食物繊維の摂取目安量は、1日あたり女性18g、男性20g。日本人は、昔は食物繊維を多く摂っていました。しかし、食事の欧米化により摂取量は減少し、多くの人が十分に摂れていません。特に、10代~40代の女性の摂取量は少なくなっていて、便秘に悩む原因のひとつと考えられます。
 食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類あります。
不溶性食物繊維は、水に溶けない繊維で、いも類や豆類、野菜に多く含まれています。水分を吸収して、腸を刺激し、排便を促す効果があります。しかし、水分不足だとウンチが硬くなることがあるので、便秘のときは摂りすぎないようにしましょう。
 水溶性食物繊維は、水に溶ける繊維で、海藻類やきのこ類に多く含まれています。ぬるぬるとしているため、ウンチをスムーズに出す働きをします。
 できれば、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の割合は、2対1が理想的です。それぞれを多く含む食べ物を挙げるので、バランスよく食べてください。

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