注目の健康情報 No.18
(18)脳のルーツは腸である!

掲載日:2015年12月01日

これまで、未解明であった腸内細菌と脳の”腸脳関係”が世界で初めて明らかにされました。Matsumotoらは腸内代謝物解析と同様の手法により、GFおよびSPFの両群のマウスから、脳内容物を回収して、脳内代謝物を網羅的に測定しました。つまり、大脳皮質に含まれる代謝物196成分を、両群で比較したところ、代謝物のうち23成分(行動と関連深い神経伝達物質であるドーパミン、総合失調症との関連性ありとするセリン、多発硬化症やアルツハイマー発症に関連性ありとされるN—アセチルアスパラギン酸など)は、GFマウスの方がCVマウスより高濃度であり、逆に、15成分(神経伝達物質の前駆物質である芳香族アミノ酸、てんかん発症と関連のあるらしいピペコリン酸、乳児の脳機能発達に関与しているらしいN—アセチルノイラミン酸など)は、GFマウスの方がCVマウスより低濃度であることが解明されたのです。腸内細菌が脳内代謝物の産生促進・減弱に関与していることが明らかにされたのです。GFマウスに多かった成分には、大脳皮質のエネルギー代謝に関係する物質が含まれており、明らかに、GFマウスの方がCVマウスよりも大脳のエネルギー消費が大きいことが報告されています。
 本成績のみでは、脳の活性化や脳の病気に関わっている神経伝達物質と、腸内細菌の詳細な関係についてはまだ分析されていませんが、脳の健康や疾病、発達と衰弱、学習や記憶、行動などを研究推進するうえで大きな意義があります。今後、腸内代謝物と同様にノートバイオート動物(既知菌種・菌株投与動物)を駆使して、様々な腸内代謝物に及ぼす菌種・菌株レベルでの解明が望まれています。

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