注目の健康情報 No.17
(17)腸内細菌が腸内代謝物を決める!

掲載日:2015年12月01日

最近、腸内細菌が宿主の各臓器、血液や尿内の代謝物に影響していることが明らかにされてきました。 私たちは遺伝的な偏りをなくすために、兄妹で交配させて誕生した無菌マウス(GF)のオスを、無菌状態で育てたマウスと、生後4週間目に”マウスの糞便カクテル”を食べさせた腸内細菌を含む体内微生物を有する通常マウスの2群に分け、滅菌水や減菌飼料などを使って同じ条件で育て、7週間目に、両群のマウスから、腸内容物を回収して、腸内代謝物の網羅的解析を行いました。すると、腸内容物メタボローム検出成分のカテゴリー別比率を無菌(Germ free, 以下GF)マウスおよび通常マウスの大腸内容物より10個のカテゴリーに分類し、CVマウスはGFマウスに比べて、アミノ酸代謝関連成分、中心炭素代謝中間体、補酵素・補酵素代謝中間体が多く、反対に、GFマウスはCVマウスに比べてアミノ酸やペプチドは少なく、それらは両群に共通して該当するものが多かったのです。特に、腸内細菌により、βアラニンの前駆物質アスパラギン酸、カダベリンの前駆物質リジン、プトレシンの前駆物質オルニチン、チラミンの前駆物質チロシン、γ−アミノ酪酸の前駆物質グルタミン酸などが活性を受けるのです。これらの研究成果は、これまでの腸内細菌研究がそれの構成のみの視点 を重視するあまり、本来、宿主と腸内細菌の関係を示す代謝物を軽視してきた流れを変えうる力を有していると高く評価され、機能性食品開発の一助ともなっています。

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